銀河ヒッチハイクガイドを見てきました。全国で9館ってのはちと少なすぎませんか。
さて、「共通言語」としてのカルトSFの極北である「銀河ヒッチハイクガイド」がついに映画化というわけでこれは見るでしょう。しかも脚本は原作者であるダグラス・アダムズですよ。
ちなみにパンフレットはごらんのとおり。「DON'T PANIC(あわてるな)」とちゃんと書いてあるあたりステキ。
おすすめ度3。以下ネタバレ。
▼概要
唐突に地球は破壊され、凡庸な地球人アーサー・デントは友人のヘンリー・フォードと共に銀河放浪の旅に出ることに。それは生命と宇宙とすべての謎にまつわる驚異の冒険行。右手には銀河最大のベストセラー「銀河ヒッチハイクガイド」を、左手にはタオルを忘れるな!
というわけでいきあたりばったりナンセンスにして妙に哲学的にはぐらかされる謎コメディ映画だと思って頂きたい。
▼誉
余計な小ネタが溢れんばかりの物語なのでナレーションを多用したのは正解といえます。
原作ゆずりのトンデモな展開が嬉しい。
また脚本の段階で複雑なプロットは大幅に整理され、非常に親しみやすくなっている。
映像的にも「B級SF映画」にしては妙に小奇麗で、スラーティバードファーストの工房なんかはその広さをがようやく理解できたし、そこでの生産工程も見て素直に面白い。
「ガイド」のイメージもすっきり処理されて楽しく、これは一冊ほしくなるですね。
そしてなんといっても「地球で二番目に知能の高い生物」がすばらしく映えている。がんばりすぎ。
▼貶
プロットがわかりやすくなったのはいいんだけど、その結果、予想もしない伏線が突如回収されるという不安定さゆえの驚きが減ったように思えるのは残念。
また旧版の読者としては、ところどころ字幕がしっくりこなかったのが残念。うがい薬バクダンは「全銀河」じゃなくて「汎銀河」じゃないのかよみたいな。ヴォゴン人の必殺のアレも単に不愉快なソレでしかない気がするがもっと「おお、へけもこの豚虫よ」「我をくみくみそげもけん」みたいな不可解さがほしかった、
そして全体的にユルい。映像密度というか、ディティールの切迫感がもうひとつ。見てるほうがおっつかないぐらいの詰め込みっぷりはやはり難しいのだろうかなあ。
▼まとめ
全体的に原作に忠実に映画化、ただしファミリー向けにいくらかあかぬけて、ついでにラブロマンス的にまとめてしまうあたり妙に手堅い。しかしその手堅さもよしあしで、もっとB級的なハチャメチャさがほしかったりしてこれがなかなか難しい。というわけでおすすめ度3。テレビの深夜放送に最適といえましょう。
また映画にあわせて原作本の新装版が出たのでこの機会に是非どうぞ。翻訳は前五部作のうち旧版が三部まで、新版が第二部「宇宙の果てのレストラン」までしか出てないのがちと残念ですが。あ、映画の内容は基本的に第一部だけです。
それでは So long, Thanks for all the fish!!(さようなら、魚をありがとう)
