結局二度目の宇宙戦争を見てきました。おすすめ度4。スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、2005年。[ASIN: B000BC8IYW]
ウェルズ原作に則して描かれた圧倒的宇宙兵器による人類もう駄目だ状態。地球が地球が大ピンチ。助けてEDF本部!
オチは皆さんご存知の通りですが一応ネタバレなので…。
▼概要
しがない港湾労働者のトムのところには週末だけ別れた妻が息子と娘を連れてきます。そのまま妻は現夫と実家のボストンへ。子供達とのコミュニケーションが絶望的な状態にある冴えないトムのだらけきった週末。
そこにこの世の終わりって感じのすんごい稲光が落ちたかと思うと、地面の中から宇宙人のでっかい戦闘破壊マシーン「トライポッド」があらわれて、ビルは砕くわ車は吹っ飛ばすわ動くモノは消し炭にするわでいよいよ本格的にこの世の終わりです。とりあえず子供をつれてダッシュで逃げるトムですが、全地球的にもう駄目状態なのに、彼等は果たして生き残れるのでしょうか?
▼誉
てなかんじでかなり強くてでかくて怖すぎるトライポッドがわしゃわしゃやってきて、ビルも町も高速道路も粉々の破壊の限りを尽くしたり、人間をびしびしつまみあげてはギョーンギョーンとうなったりですばらしい悪メカっぷりです。このトライポッドがもたらす、恐怖と絶望の波状攻撃は特に作品前半に集中しており、それだけで見る価値があるといえます。
破壊と殺戮の描写もすさまじく、CGとはいえでかい建造物がもうもうと煙を立てて崩れる様は大迫力ですし、そうかと思えば死体や死体を連想させるものが淡々と画面を埋め尽くしてみせたりと緩急極まって絶望感が襲います。
また縦横無尽のカメラワークにも注目です。特に車で逃走するシーン、車内での口論と走る車を左右から撮ったショット、後部座席のショット、そして後方から俯瞰して大きく引いたショット。これがぜんぶワンカットに入ってる(しかも全部人間が動いてる)ってのはいったいどうやって撮ったのやらさっぱりわからんぞ。
また、トライポッドが実は「巨大人型兵器」である衝撃の事実が明らかになるシーンがあるのですがそこにいたる一連の流れもスリリングで楽しいね。
▼貶
さて、まるっきり歯が立たない相手に蹂躙されまくる人類ですが、政府や組織が役に立たない上に宇宙人とも完全に没交渉なので、自然とドラマは人間模様へと移ります。トムはトムなりにおめめきらきらさせたりして家族と生き残るためがんばってはみるのですが、いかんせん人類の無力感を一身に背負った男の役なのでいまいち冴えません。ダコタたんに頼られつつの逃避行でなければ早い時期におっ死んでいたやもしれん。
どのぐらい冴えないかというと、トムはダコたんを守るために普通はできないような頑張りをみせたりするのだけれどそれが全く省みられない。めっちゃ頑張って何か成果を出した次の瞬間それがチャラになること多数。何のためにやったんだっけ?ってな具合のなさけなさ。最終的な立ち位置にそれが端的に現れてるですね。
この「無理目に頑張って結構うまくいくんだけど直後チャラに」というむなしさこそがこの映画全体のテーマかもしれないね。それはそれでドラマとしてはアリなのだけど、後味はあんまりよくないのでおもしろおかしい度の向上という観点ではいまひとつ。
そして宇宙人も原作どおり例の理由によって以下略なのであるけれど、それならそれでぐるぐるまわってぽん、で終わりでいいはずなのになぜか軍隊に見せ場があったりする辺り蛇足感。
このお話でちょくちょくおいしいところを持っていくのが清く正しい軍人さんなあたり、なんか微妙な政治的意図でもあるのかと勘繰りたくもなったり。オチがわびさびならそれに徹してほしいところです。
▼まとめ
破壊と殺戮のスペクタクルムービーとしての前半は完璧です。もう大画面で音響のいいところでなら何度見ても楽しめるでしょう。中盤から後半でカラーが変わり、ここは好き嫌いが別れそう。そんなわけでおすすめ度4。とはいえ前半のためだけにでも映画館でどうぞ。
さて、EDF隊員としてテトラポッドと戦うか…
