池袋では成瀬巳喜男 の『山の音』を上映していたので結局見に行く事に。ていうかもう一本見ようと思っていたのだが、行ったら満席だった。川端康成原作。成瀬巳喜男監督。原節子、山村聡、上原謙。1954年。
上映前に「この映画を見て女心を学習せよ」というミッションを受けていたのだが、はたしてどうなることか。
▼概要
戦後の鎌倉で二世帯同居生活する一家。息子の嫁(原節子)は明るくかいがいしいが、息子は不満らしく外に愛人を作っている。見かねた父(山村聡)は嫁をねぎらうものの、それが事態を複雑にしてゆくのだった。
成瀬得意の上品で高品質なメロドラマ。
▼誉
とにかく成瀬の映画は説明が少ない。説明台詞はほぼ皆無だし、伏線や暗示すらもその存在が強調描写されたりはしないので、うっかり見落としがちだが、後から考えると思い当たるものが多数。演出の妙ですな。
セリフが少ないおかげで役者の存在感も際立つ。原節子の微妙な色っぽさとか、山村聡の困り加減とかがすてきです。
▼貶
困った事に女心の微妙さが理解できないワタクシはところどころ置いてけぼり。山村聡が事態の解決のためちょくちょく何か余計な事を言うのだが、見てるワタクシとしては、その発言はまあ無難だけど妥当だよねとか思うわけだ。ところが次の瞬間「お父さんは女心がわかってらっしゃらない」と言われるわけだ。作中で。これが一度や二度じゃない。
いやほんとはこれは貶す項目じゃなくて、それだけ成瀬が女心を理解してるらしいってことなんだけど。俺おいてけぼり。
▼まとめ
女心がわからずやきもきする俺としては山村聡に超シンクロ。映画としても普通に面白い。ニュープリントで綺麗だしね。というわけでおすすめ度は4にしておこう。結局女心はわからなかったというか、仮にわかったとして解決策がないということがわかったというか。
ハナは東宝がケチなのでDVD化されないと不平顔だったが、成瀬巳喜男の生誕100周年ということでDVD BOXが出るようだ(part1,part2)。また箱が増えるのか…?
