週末にハウルの動く城を見てまいりました。宮崎アニメ2004年ですよ。[ASIN: B00009B8MC]
こりゃまた受け手によって評価の別れそうなおはなしです。乙女(適齢期以上)の夢がここに結実というかんじでコマッチャーなら一発ノックダウンされそうです。一方紳士諸君は微妙かも。見に行くときは化繊の衣類はやめといたほうがいいです。身をよじるとガサガサいいますからね。
ところでワタクシ細田守の仕事には期待しておりますので。一方宮崎駿への期待値はラピュタをピークに下がる一方。大人の都合の監督交代劇にはがっくりした口ですよ、ええ。
さて、これが本作にどのように影響するのか。ややネタバレです。
ストーリーには期待してはいけない。世界背景はいいかげん。世間は戦争で戦禍に巻き込まれたりするんだけど、今攻めてきてるのがどっちの国かもよくわからん。ときおりの反戦発言は立場を考えれば失笑モノだし、まして最後の戦争に関するアレはなんですかいいかげんな。
ストーリー上制約とされていたいくつかの重要事項も「あ、これ例外だから」みたいな無いに等しい理由で次々無力化ないし解決され、いっそすがすがしいとさえ言えますな。
また、いくつかの重要っぽい描写が削除されているのもいちいち引っかかります。相手の「正体」が別の事前情報と合致することによる認識の変化とか、事態を悪化させた要因のひとつである「新店舗」への固執に至る過程とかそういうのがもうバッサリ。
というわけで観客は、飛躍した結果だけ次々見せ付けられるようなご都合感を抱えつつ身をよじる羽目になるわけですな。
主人公は日々の暮らしから抜け出すことも出来ず、希望もなく地味な人生を覚悟して生きる地味職労働者。
身近な人の派手な人生と比較して沈む一方。おまけに見た目は老女です。
そこへ金に不自由せず料理もできて強くて空も飛べる見た目派手なキムタクイケメンが現れます。しかも家つきです。これが見た目も気にせずヒロインにラブラブになるわけですよ。ラブラブ状態への強引な移行はほとんど萌えアニメの領域です。
しかも成功が約束された華やかな仕事まで斡旋してくれるので、「モテ欲」「お嫁さん欲」「キャリア欲」のすべてが同時に満たされます。
ここで何が完璧かちうと、偉大にして美麗なるハウル君はヒキーなんですね。いや、実際は違うのですが位置づけとしては似たようなモノです。そんでヒロインに依存せずにはおれないのです。完璧な環境をもたらしてくれる完璧な男に依存される、これ以上の乙女の夢がありましょうか。しかも延々依存してくるのではなく要所要所でちょっと相手をしたら元気一杯飛んでいきますからそれほどウザくもありません。
ほかの登場人物にも乙女をイイ気分にさせる要素が多分に配備されており、はっきりいってストーリーの流れの悪さとかどうでもよくなってきます。たぶん。
しかし宮崎駿にいったい何があってこんな乙女最適化映画ができてしまったのだろう。ハウル君はかつてないほどの二枚目(あごがとがってる!顔が崩れない!)ですし、そもそもロリコン親父垂涎の対象となるべき少女がでてきません(ヒロインはちょっと違うし)。細田守の職人根性ではありえない超強引なストーリー進行でありながら、最適化された視点からはそのインパクトは期待以上のものがあります。というわけで、細田守作品でなかったことは残念ですが宮崎駿監督作品ということでこれはこれでよかったかな、とも思えます。
そういえばキムタク声は誉められたものじゃありませんが、役柄上黙認可能な範囲でした。それより子役ですよ注目。
余談。ベーコンうまそう。いいなあ(よだれ)。
余談2。ところで細田守バージョンの上映はいつですか?←ありません
